【CHROレポート】リアルな対話で全社員の「想いを、動かせ。」──CHROキャラバンへの想い
社員の声を直接聞くため、全国の拠点を訪ねる
パナソニック インダストリーは、2022年4月のパナソニックグループ事業会社化に伴い、創業しました。そこで、私たちが新たに取り組む当社独自の人財戦略として立ち上げた「想いを、動かせ。」の真意や、新たに導入した制度施策の背景を説明する取り組みのひとつとして、「CHROキャラバン」を開始しました。単に制度について一方向的に伝えるだけでなく、働く社員から生の声を聞くことで、制度や施策を絶えずアップデートしていきたいとも考えていました。
CHROキャラバンは、私が全国へ赴き、人財戦略や制度施策の導入背景や意図、未来への期待値を各拠点で働く皆さんにお伝えしながら、予測不能なこの時代の中で、未来に向けてめざしたい「これからのパナソニック インダストリーのありたい姿」について対話する場です。2022年10月にスタートし、22年度だけでも8拠点で186人の社員と直接対話を行いました。
当初は、より多くの方と直接話したいとの考えから、部長・課長・若手の3つのグループに分かれて、大人数制のセッションを開催していました。しかし数回の開催を経て、相互対話をより重視するという観点から、1セッションの参加者数を5~6名程度の少人数へと、見直しを行いました。
CHROキャラバンを通じて見えてきた、リアルな人脈構築の課題
個人の価値観の多様化や国内労働人口の減少など、経営環境が変化していく中で、当社の人財戦略は改革に向けて走り出したばかり。まだまだ検討中のことも多いのが実情です。とくに製造現場に即した制度や施策は、これからもっと改善が必要で、プロジェクトを走らせながら、状況の変化に素早く対応できるように意識して取り組んでいます。
また、社員の働きがいが上がる環境を用意すべく、社員にとって働きやすい環境とは何かについて、現場からの意見をどんどん出してもらっています。CHROキャラバンでは、多岐にわたる職場の課題や悩みが次々と飛び交い、それに対する率直な意見を共有し合うことを大切にしています。
これまでに、拠点や職位を問わずあがってきた共通の課題は、人財獲得と、定着の難しさでした。それについて、私は「拠点や業務の魅力を『創る』ことができるのも、誰よりも熱く『伝える』ことができるのも、皆さん一人ひとりです。皆さんの積極的な取り組みや発信を期待しています」と常々お伝えしています。さらに、キャラバンで見聞した他拠点の事例などを紹介すると、その場で「自分たちの拠点でも応用できるのではないか」といったブレストが広がるシーンもありました。
このように、社員と直接会って対話するというCHROキャラバンを実施して、見えてきた課題があります。それは、コロナ禍前と比べて、人間関係の構築がしづらくなっていることです。同じ拠点内や、同じ職位同士であっても、初対面の社員がいたり、お互いの業務内容を知らなかったりするという状況を目にすることもあります。非対面が推奨されていたコロナ禍を経て、ポストコロナのフェーズにおいては「リアル」な関係構築に取り組んでいく必要性を感じています。
壁を超えて語り合うことで、社員の想いを会社の想いにつなげる
Face to Faceで話をしていると、私自身が多くのことに気づかされます。そして、各現場での挑戦や独自の取り組みを目の当たりにするたびに、驚きや感動があり、当社が持つ無限のポテンシャルを実感します。
これらを全社の財産とするために必要なのが、当社の行動指針の1つである「壁を越えよう、交ざり合おう」です。あらゆる壁は、しっかり対面で語り合い、認め合うことで乗り越えられる。そして現場の「想い」が全社の「想い」につながっていく、そう確信しています。
グローバルに働く4万人の全社員が抱く「個人の想い」と「会社のめざす姿」をつなげること。それこそがパナソニック インダストリーの人財戦略です。社員一人ひとりのありたい姿をかなえるには、それぞれが想いを実らせることが必要不可欠です。これからも私たち人事は、社員が持つ能力(=ポテンシャル)を最大限に解き放ち、大小関係なく新しい何かに取り組むことを支え、後押ししていきます。
日々少しずつでも前に進むことで、「想いを、動かせ。」が自然なこととして定着していき、組織も会社も確実に共に成長し続けられる。そんな目的・未来志向で挑戦し続ける企業風土を、一緒に作っていきたいのです。
見えないところから、見違える世界に変えていく
2024年9月には、東南アジアキャラバンを実施しました。インドネシアのバタム、シンガポール、ベトナム、そしてタイ。CHROキャラバンで訪問した先は、海外5カ国・国内20拠点となりました。写真はバタムでの一枚です。
昨年の中国キャラバンで見聞きした現地の成長には驚きましたが、東南アジアの各国でも大きく成長している姿に感動しました。というのも、私には2005年からの4年間、タイでの駐在歴があります。帰国後も毎年タイを訪問していたのですが、コロナ禍で中断していたため、今回は5年ぶりの再会でした。当時のメンバーは、当社でさらに活躍している人や、転職し新たな仕事を得たり、起業したりしている人もいて、それぞれの舞台で活躍している様子が印象的だったのです。
CHROキャラバンを始めてちょうど丸2年が経ちましたが、訪問したい先はまだあります。当社には国内に30カ所、海外に50カ所の80拠点があり、同じ企業理念と人財戦略を共有しているのです。私はこれからも、CHROキャラバンを実施することで、世界中の社員の「想い」を丁寧に傾聴すると同時に、一人ひとりがその想いを動かせるように、働きかけていきます。そしてCHROキャラバンが、「見えないところから、見違える世界に変えていく」を実現するための強力な応援団になれたらうれしいですね。
※ 記載内容は2024年11月時点のものです