【CHROレポート】インダのファンを増やしたい──自らがスポークスマンとなって語り続ける「想い」
語り続ける理由──自分自身と組織の成長のために

CHROに就任してから、私は積極的に社外イベントに参加し、講演の機会も多くいただいてきました。例えば人事部門の統括責任者や最先端の関連サービスを持つソリューションプロバイダー企業が一堂に会する「HR Japan Summit 2025」では「インダってナンダ?」という問いから講演を始めてみました。そうそうたる方々が集っていましたので壇上に立つ緊張感は高かったのですが、話すうちに熱量が高まり、参加者の真剣なまなざしや鋭い質問に刺激を受けました。
こうした場に立つたびに、自分たちの取り組みを整理し、目的に立ち返ることができます。また、どう伝えれば私たちの物語が響くのかを考える時間にもなります。何より、インダの人事として掲げる想いに共感してファンになっていただける瞬間があることが大きな喜びです。自分自身の想いを振り返り、次なる挑戦への手応えを感じられる──だから私は語り続けるのです。もっとインダのファンを増やし、刺激し合える仲間を増やすために、私たちのストーリーを発信し続ける覚悟です。
私が語り続けることで、社内外の人々と想いを共有し、共感の輪を広げることができると信じています。語ることは、単なる情報発信ではなく、自分自身の成長と組織の進化を促す重要な行動です。
社外に出ていく理由──知の探索が視野と可能性を拡げていく

世界の企業トップやビジネスリーダーが集い、障がい者インクルージョンについて議論する日本初の大規模な場「SYNC2025」にも足を運んできました。多くのビジネストップが会場に集まり、障がいのある人の強みや個性を活かし事業成長を実現するために熱い想いをぶつけ合う姿勢に大きな衝撃を受けました。ここで語られていたのは、「インクルージョンは競争力確保のための企業戦略そのもの」という考え方です。一人ひとりの力を最大限発揮させることが、会社の力となり、業績向上につながるという経営視点での議論が印象的でした。
インダでは「誰でも、遠慮なく公平に、イキイキと!」というメッセージのもと、DEIの活動を展開しています。しかし一方で、「働きやすさ」ばかりを追い求めるあまり、「働きがい」による事業成長という目的を見失っていないか、と自問しています。例えば、障がいのある社員が海外出張を希望しても、上司が慮って別の人に依頼してしまうことがあるかもしれません。こうしたアンコンシャスバイアスが、個人の成長機会や会社の競争力を損なう要因となり得ます。
そしてインダは「想いを、動かせ。」というコンセプトで、人と組織が共に成長し続ける会社を目指しています。私自身、インクルージョンの本質は「お互いの違いを学び、一人ひとりの想いを企業価値に変えること」だと考えています。属性にとらわれず、社員の志を行動に落とし込むことで、企業や社会を動かす力になるのです。インクルージョンは経営理念に立ち返ることであり、これに取り組まないことは企業にとって致命的な機会損失です。SYNC2025を通じて、さらに加速度的に推進していく覚悟を新たにしました。
このように私にとって社外に出ていく場は学びであり、まさに「知の探索」の宝庫です。人事業界の潮流の最先端を体感するとともに、自分自身の立ち位置や活動のレビューの機会になっています。
共創する理由──個々の成長を組織の熱量へ

パナソニック インダストリーは事業会社化以来、組織風土変革を進め、改革のドライバーになるミドルマネジメント層に対して、株式会社mento様のコーチングサービスを導入しています。これまで累計約300人の部課長が自ら手を挙げて参加し、個別コーチと長期間伴走しています。マネジャー自身が内省し、行動変容を起こすことで、部下からも「上司が変わり始めた」という声が上がっています。こうした取り組みの積み重ねが上司と部下の関係性を変え、組織や企業文化をつくりあげ、風土として根付いていくと信じています。
そんな中、2025年12月にはmento様主催の「Management Success Award 2025」を受賞することができました。授賞式では、実際にコーチングサービスを受けた課長が「自分への向き合い方」について語り、そのストーリーに私は涙するほど深く感動しました。人事として、こうした瞬間に立ち会えることは冥利に尽きます。ふと横を見ると、mento様の副社長も涙しておられました。コーチングを通じて、リーダーとメンバーの想いをどう繋ぐかを模索し続けています。個々の成長が組織全体の「熱量」となり、企業文化をつくりあげると確信しています。
また、2024年にはmento様の広告に私自身が出演する機会をいただき、東京駅や品川駅のディスプレイに自分の顔が映るという不思議な体験もしました。広告で描かれた「なぜパナソニック インダストリーの管理職はイキイキと働いているのか?」という問いに、これからも応えていきたいと強く感じています。
見えないところから、見違える世界に変えていく

これまで語り続け、外の世界に飛び出し、仲間と共に挑んできた日々。その一つひとつの積み重ねが、思いもよらない新たなつながりを生み出していると強く感じています。サミットやイベントの会場で交わした名刺と対話の数々が、人事の可能性を共に探求する仲間を増やし、インクルージョンを推進する同志を広げてくれました。そうした出会いは、私に「まだできることがある」と背中を押してくれる、大きなエネルギーになっています。
創業以来大切にしてきた「外に開く姿勢」は、ステークホルダーメディアへの露出や社外パートナーとのコラボレーション、そしていただいた数々の表彰という形で、新たな価値となって返ってきました。それらは単なる評価ではなく、私たちの歩みや立ち位置、そしてこれから何をすべきかを示してくれる“鏡”のような存在でした。
そして今、私は改めて「語り続ける」ことの意味を噛みしめています。語るとは、情報を発信する行為ではなく、自分自身に問いかけ、企業の存在意義を社会に示す行為です。
「見えないところから、見違える世界に変えていく。」
そう信じて、私はこれからも声を挙げ続けます。──インダの魅力を、想いを、そして未来へのビジョンを、もっと遠くまで届け、インダのファンを増やしていくために。
※取材内容は2026年2月のものです