多角的な知見が武器になる──誰も作ったことのない新材料開発にかける「想い」
AI時代を牽引する半導体パッケージ基板の材料開発

スマートフォンやPC、データセンターのAIサーバ、通信インフラ──社会のあらゆる場面で電子機器の高性能化が進み、電気信号を処理する半導体の重要性はますます高まっている。電子材料事業部グローバル電子基材ビジネスユニットに所属する末木は、その半導体チップの土台となる「半導体パッケージ基板材料」の開発を担う。半導体パッケージ基板は半導体チップと電子回路基板を電気的に接続し、信号のやり取りを成立させる要となる部品であり、近年の著しいAIやネットワーク技術の進化に伴い、さらなる高性能化・高密度化が求められている。
半導体パッケージ基板材料は用途が広く、お客様から求められる性能も多岐にわたる。とくに、サーバ用のCPUやGPUに用いられる高密度半導体パッケージでは大型化、スマートフォンなどのICT機器向けの半導体パッケージでは小型高機能化への需要が高まっている。電子機器の安定稼働には半導体の信頼性向上が不可欠であり、とくに半導体パッケージ基板材料には熱による膨張や応力緩和などを物理的に制御する材料技術が求められているという。
多角的な知見を求められるからこそ面白い──前職の経験をベースに新たな挑戦

現在、半導体製造の後工程領域に用いられる材料の開発を担当する末木だが、もともとは半導体製造の前工程で使用する薬品を製造する化学メーカーに勤めていた。転機となったのは2025年、やりがいを求めてパナソニック インダストリー(以下、インダ)に飛び込んだ。
入社すると期待したとおり、さまざまな知識が求められる場面があり、刺激に満ちた毎日を送っている。
勤務する郡山拠点は、研究のみならず量産に向けた製品開発が多く、同じものを安定的に作るプロセス開発も一つのポイントとなる。
周囲と共創し難題を突破。世界のトップ企業へ新材料提案で勝負

新しい領域に飛び込んだ末木、時には半導体パッケージ基板材料特有の難しさに悩まされることもあったという。
先輩たちに助けてもらいながら、過去のデータを参考にプロセスの均一化を図り、性能が出せるようになりました。業界が変われば、前提とされる知識がガラッと変わると思い知らされた手痛い経験でしたが、いろいろな知識を吸収しながら進めなければならないのだと、新たな学びがありました」
広範な知識を要求される難しい開発、その半面で大きな手応えも感じているという。
回路の密度を高めるためにパッケージ基板サイズは小型化が必要ですが、小さく、薄くしていくと強度が下がってしまいます。他の性能を維持・向上させながら強度を維持するには、これまでの考え方にはない新しい半導体パッケージ基板材料を開発する必要があります。最先端の知識もさることながら、何よりも原材料の知見も開発には必要不可欠。パートナーである原材料メーカーと強力なタッグを組み、一緒に新しい製品を開発し、積極的にお客様への新材料提案を進めています」
見えないところから、見違える世界に変えていく

入社して約1年、末木は自身の転職を振り返り、求めていたものが得られたと笑顔で語る。
そんな充実した日々をおくる末木がインダで目指すのは、誰も作ったことのない新材料を世に送り出すことだ。
日常的に海外のお客様とやり取りすることも多く、海外勤務に意欲が高い人が周りにも多いという。
自ら挑戦し学び続けることで、最先端の領域を切り拓いていく末木。貪欲に学び取る姿勢は常に仕事に生かされる。見えないところから、見違える世界に変えていく──半導体デバイスを通じて、豊かな社会を実現したいとの想いを胸に開発に励む。電子基板材料で世界に飛び出していく、末木の挑戦は始まったばかりだ。
※ 記載内容は2026年5月時点のものです