MI導入にゼロから挑戦──電子材料開発を革新する“キーパーソン”をめざす「想い」
これまでの知見を活かし、学び続ける姿勢で取り組んだ「活用事例ゼロ」からの挑戦
MIとは、AIや機械学習などの情報科学(インフォマティクス)を駆使することで、材料開発のプロセスを一新する画期的な手法として注目されている。これまで長期間を要した新規材料の探索や材料開発を、大幅にスピードアップさせることが可能となる。
入社1年目は、MIを活用する材料について学ぶために、回路材料開発課で電子回路に使われる多層基板材料の研究開発に従事した。材料開発のエンジニアとともに、新素材を探してさまざまな実験を繰り返しながら、材料の知識はもちろん、材料開発のエンジニアの考え方、求めることなどをつぶさに学んでいった小林。
2年目からは、いよいよMIの取り組みが始まった。
着実にステップを踏み進めたMI活用。導入から推進までの道のり
ある程度MI活用のベースができると、社内に向けてプレゼンテーションを行った。すると、興味を示した他部署から連携やMI活用の依頼の声がかかるようになったと話す。
小林は、こうした取り組みやMIの価値を社内に広く知ってもらうために、チームのメンバーとともに論文にまとめ学会誌に投稿した。
タイトルは「熱硬化性樹脂コンポジットにおける物性予測に向けた機械学習モデル構築」。
1年後、その論文の受賞(日本コンピューター化学会 2021年度 吉田賞)の知らせが届いた。論文が賞にエントリーされていたことすら知らなかった小林は、歓びよりも驚きの方が大きかったと言う。
長く働くために必要なもの──「人」とのコミュニケーションの重要性
小林には、この仕事で大切にしていることがある。
長く働く上では『誰と働くか』も、大切なのではないかと思います」
小林は、学生時代を振り返って次のように話す。
見えないところから、見違える世界に変えていく
電子材料事業部へのMI導入を実現した小林は、これからの目標を次のように語る。
私自身としては、日々進化するMIの技術をアップデートし、早く使いこなせるようにしていきたいです。そして、いつか、当社の材料開発を革新するキーパーソンになりたいと思っています」
見えないところから、見違える世界に変えていく──日々進化するMI技術とともに、自分自身の研鑽にも余念がない小林。チームメンバーや関係者とのコミュニケーションを同時に育みながら、革新の中心をめざす。
※ 記載内容は2023年9月時点のものです